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悪魔についてマンガを描いたり語ったり。書籍を紹介したりします。
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前回は旧約聖書のサタンについて語りました。
旧約聖書とはユダヤ教の正典で紀元前に纏められた書物です。
そして新約聖書がイエスの登場後、キリスト教の正典として綴られていきます。
現在の西暦はイエスの誕生を紀元とし、数えられています。
つまり、イエスが誕生したのは西暦元年、新約聖書が書かれたのは紀元後となります。
(現在の研究では、実際にイエスが生まれたのは数年のブレがあるとも言われています。)

イエスは神の子という事は置いておいて、人の子として生まれたイエスを見てみましょう。
彼は2千年前にユダヤの民として生まれました。

キリスト教はユダヤ教の中から生まれました。

イエス自身がユダヤで生まれ、ユダヤ教の教えの中で育ったからです。
キリスト教も、一つの宗教として確立する前はユダヤ教の一派と考えられていたそうです。

ユダヤ教の中で新しい教えを説くイエスは、一部の信者を除き当時のユダヤの人びとには受け入れられず、やがて磔刑にかかり短い生涯を終えます。

その後、イエスの弟子たちが師の教えを伝え、キリスト教が宗教として成立していきます。そんな経緯を辿っているので、キリスト教ではユダヤ教の正典である旧約聖書も新約聖書と共に正典に含まれるのです。

ユダヤ教はユダヤ人の宗教です。

ユダヤ人とは「母がユダヤ人であるか、ユダヤ教のみを信仰している事」と言う定義があるようです。(時には父がユダヤ人の場合も含めたり、他の宗教に改宗したが元ユダヤ教の人もユダヤ人と呼ぶ事もある。)
ユダヤ人のための宗教なので、ユダヤ人が暮らしやすいための生活の方法が説かれていたり、ユダヤ人こそが神に選ばれ、契約せしめた人々という選民思想などの特徴を持ちます。

他の国の他の民族の人もユダヤ教に入れますが、時代によっては元からユダヤの血筋の人より地位が下がってしまったり、ユダヤの生活の決まりを守らねば成らず、ハードルは高かったようです。

そんな中、キリスト教は万人救済の方向に向かって行きました。

元々イエスはユダヤ人を対象とし、ユダヤ教の一派として活動していたのですが、
ユダヤ教の教えを軟化し、全ての人々に等しく救済があると説く事で、
結果キリスト教はその教えをユダヤの人びと以外にも解き放つことになりました。

どの人種、国の人も信仰しやすい宗教として確立したおかげで、キリスト教徒はユダヤ教徒を上回り、世界に広く伝わって行きます。

その過程で悪魔観にも変化が訪れました。

キリスト教が人種や国を関係なく、全ての人を対象にする事で、今まで最も脅威だった他の民族の神、"ユダヤに置ける偽の神"が悪者である、という説明が成り立ちにくくなっていきます。
ユダヤ教における唯一神は"たくさん居る神々の中の本物の神"、多神教の中の真の神という位置づけで、一神教としては不完全でした。

それがキリスト教では唯一神が世界に存在するただひとりの神、という意味合いが強くなります。となると、偽の神はなにかが神に成り代わっていると考えるしかありません。
また、様々な人種の信者がいるのでどんな人種の人にも共通する「悪」のイメージが必要でした。

そこで眼をつけられたのが、ヨブを誘惑しひどい仕打ちを仕掛けたサタンでした。

彼ならあらゆる苦難を人間に被せてくるし、名前も"敵対する者"、全ての悪を体現する者にふさわしかったのです。
キリスト教はサタンを悪の代表とし、旧約聖書に書かれた偽の神々は悪神ではなく、悪魔が人間を騙そうと神を語った存在として、悪魔サタンの配下に据え置いたのです。

そしてサタンはキリスト教の時代に神に歯向かう敵対勢力として、神の使いから悪魔化して行ったのでした。

キリスト教において、現在まで語られている悪魔像がよりリアルに造型されていくのですが、その話はまた次回に。
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『失楽園』を語ったのでそろそろ当マンガの主役、サタンについて語ろうと思います。

「SATAN-サタン-」その名前の意味は"敵対する者"

サタンの名前は旧約聖書から見られ、新約聖書にも書かれています。
イスラム教ではシャイターンがサタンに相当する語とされます。
サタンとはヘブライ語で"敵"という意味です、旧約聖書の原本が原則ヘブライ語で書かれていますから、今現在はサタンは悪魔の固有名詞としてとらえられていますが、当時は「サタンがやってきた」という文なら「敵がやってきた」とまんまの意味で読まれた箇所もあったようです。

「敵」と一言に言っても旧約聖書でのサタンは、今映画やマンガでイメージされるサタンのイメージとはかけなはれています。

サタンが登場する代表的な話が「ヨブ記」です。

「ヨブ記」ではヨブと言う信仰心の厚い男の人が主人公です。
もちろん、人一番信仰心の厚いヨブに神=主も気付いていました。
あるとき、主の前に御使い達が集まりました、そこにはサタンもやって来ており、主はサタンに語りかけ、ヨブの事を自慢します。

「お前は私の僕ヨブに気がついたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」

神の言葉にサタンも言葉を返します。

「ヨブが利益もないのに神を敬うでしょうか。あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をあなたが全て祝福するおかげで、彼の家畜は地に溢れる程です。ひとつこの辺りで御手を伸ばして彼の全財産を取り上げてごらんなさい、面と向かってあなたを呪うに違いありません。」

その言葉に主は考え、サタンに告げました。

「それでは、彼のものを一切、お前の好きなようにしてみるがよい。ただし彼には、手を出すな。」

こうしてサタンはヨブの信仰心を試しに行きました。

この話は神とサタンの"賭け"とも言われます。
サタンはヨブの家畜を殺し、家族や友人を失わせ、ヨブ自身も病に追い込み、非道の限りを尽くすのですが、あくまでそれは神の許す範囲でです。
神様が「ヨブを殺すのだけはダメ」という条件を出しており、それに従ってサタンも彼の命までは奪いませんでした。

結局、ヨブは最後まで神を信じ、神もそれに答え彼を手厚く祝福し、以前よりも豊かな生活を送りめでたしめでたしで締めくくられるのですが、この話の結末にサタンは出て来ません。

サタンは果たして悪なのか?

少なくとも、旧約聖書を読んだ限りでは酷い事はすれども"悪"とまではいかず、サタン自身も御使いの一人として神を敬っているように思えます。
人間達を監視し、試みる事はあってもそれはあくまで神のため、ひいては愚かな人間がどれほど神を信じているか、信仰心を確かめるために起こした行動のようです。
信仰心を試すのにここまで酷い事をするなんて神様がやることじゃない。これはサタンが独断で起こした行動だ。サタンが悪いやつだからこんな事をするのだ。という解釈も、後の世には起こって来るのですが…。

確かに…サタンの試みはだいぶやりすぎですが、旧約聖書上ではその後サタンが罰せられたという記載は無く、それよりもバアルなど他神の神々の方が明らかに敵対視されており、彼らの方が風当たりは強いのです。

旧約聖書が書かれた時代、唯一神の"敵"はサタンよりも他の神々でした。

ではいつ、サタンが神の最大の敵と成り得たのか?
次回はその話を語ろうと思います。


『アーリマン』を描く動機の一つに、東と西の端と端で頑張っている魔王、サタンとマーラを仲良くさせたい、というのがありました。
いきなり出会っても良いけど(コミックス版ではそうでしたが)どうせならなにか接点が欲しい。
端と端で暮らす2柱に接点がないか調べた所、カギとなりそうな人物が一柱…それがアスモデウスでした。

以前説明したように、アスモデウスはゾロアスター教のオリジナル悪魔です。
そしてゾロアスター教にはアスモデウス=アエーシュマのようなオリジナル悪魔の他に、インドの神々を悪魔化したダエーワがいます。
つまり…アスモデウスはダエーワ=天部と面識があるはず。
そしてマーラは仏教に取り入れられて天魔となった魔王、所属は天部です。

つながった!!西洋の悪魔と東洋の悪魔がつながったぞー!

とはいえ、アスモデウスが天部に所属というのは少し無理がある…なにか仲介役が欲しい。
と言う事で、ダエーワの中の七大魔王の名前に目を通すと、知った名前があるじゃないですか。

魔王インドラ

インドの神インドラ、日本人的には帝釈天の名前がしっくりきます。
帝釈天と言えば今でも信仰を集める由緒正しき仏様
それが魔王というのも不思議な話です。

ですが、彼の神話をあらためて調べると、結構ぶっ飛んでいるエピソードが多い。
人妻と浮気をして千の女陰を体中に付けられる呪いを受けた…とか。
阿修羅の娘を誘拐し犯してしまったために阿修羅と大戦争に突入したとか。
(この時の帝釈天と阿修羅の戦いが修羅場の語源になります。まさに修羅場。)
のちに誘拐された阿修羅の娘は正式に帝釈天の妻となり、それでも我を忘れて怒り続ける義父・阿修羅が悪とされるのですが…。

それは帝釈天が悪いんじゃないかな

帝釈天が、阿修羅=アフラ・マズダーからは魔王と呼ばれるのも当然なのかもしれない。

仏教に取り入れられてからは温厚で慈悲深い神とされる帝釈天。
昔はヤンチャだったというのも面白いお話です。
また、神酒ソーマが大好きで戦いの前には酒をあおり勢いを付けたと言われ、かなり豪快。

なんとなく、ゾロアスター教時代は酒の酔いと暴力の魔神と言われ恐れられていたけれども、
キ教に取り入れられて大人しくなってしまったアスモデウスと相性が良い気がしてきます。
と、言う事で『アーリマン』ではこの2柱に接点を持たせる事にしました。

また、帝釈天の乗る聖獣の象アイラーヴァタは、マーラの乗る魔獣の象ギリメカラの前身。
アイラーヴァタがスリランカで悪魔化した姿がギリメカラと言われています。
帝釈天だったらマーラとも接点が持てる、そう思い仲介役として登場させました。


今は温厚な帝釈天ですが、若い頃(?)は酒を飲み、喧嘩に明け暮れ、女遊びをしていたと想像するとなんとも人間味のある神様に思えて来ます。
アスモデウスと悪友となり、ペルシアで魔王と呼ばれ、ブイブイ言わせている帝釈天もそれはそれで魅力的だな…と思うわけです。


余談ですが、アエーシュマに相当する語は"アスモ"の部分で、残りの"デウス"は"デーヴァ(天部)"の意味だそうです。
まさか遠い国の悪魔であるアスモデウスが日本でもなじみ深い天部と関係があるとは思いませんでしたが、これだけ顔の広い彼なら東西の魔王をまとめられると思い、バンドメンバーに加わる事になったのでした。
世界に神話は沢山ありますが、日本神話のようなその国固有の神話もあれば、仏教のように色々な国で語られる神々もあります。
神話の中でも大きな流れを持つのが、セム系神話とインド・イラン神話です。
この2つは今でも信仰されている世界三大宗教にも関わる神話です。
と言っても、なんのことやらと思う人も多いと思うので、
ここからは私がざっくりと2つの神話群に分けてみたいと思います。
(自己流です話半分に聞いて下さい)

2大神話の系譜、分類のマイルール『登場人物がだいたい同じ』

ポイントはここだけ!
たとえばセム系の代表的な文章として旧約聖書やコーランが上げられます。
旧約聖書はユ/ダ/ヤ教、キ/リ/ス/ト教の正典、そしてコーランはイ/ス/ラ/ム教の聖典ですね。
(つっこみが怖い小心者なので名称に検索よけをさせてもらいます。
心の目でハイフンを飛ばして下さい。)

この三つの宗教の神様は同じ神であると宗教学的には言われています。
そして出て来る天使達もミカエルやガブリエルと名称が共通しています。
もちろんサタンもルシファー、イブリースと名前は変わりますが
神に敵対する堕天使としてほぼ同じ役柄を持ってそれぞれの神話に登場します。

『登場人物が同じなら敵でも味方でも同じグループ!』セム系神話編

ちょっと宗教に詳しい人なら、ユ教・キ教・イ教の三宗教が同じ派生なのはご存知かと思います。
この他にセム系神話に含まれると言われるのが、オリエント神話の一つ、ウガリット神話です。
具体的に登場神様をいいますと、バアルやアスタルトがそれにあたります。
あれ?バアルって悪魔じゃなかったっけ…という話になりますが、旧約聖書から見ると悪魔(もしくは悪神)に値する彼らもウガリット神話では信仰対象の神様です。

こんな感じで、ある神話では神でも対立するお隣の国・部族の神話では悪魔にされている、
でも、どちらの神話にも同じメンツが登場する…という神話をざっくり1グループにわける事ができます。

この分け方は言語学的な分け方でもあります。同じ系統の言語で成り立っているので神話の中の人物や場所の名前が一致すると言うわけですね。

『同じようにアジアの神話もみてみよう』インド・イラン神話編

さて、セム系神話のようにアジアの神話を見てみると、まず大きなものにインド神話があります。
古代インド神話はバラモン教、仏教、ヒンドゥー教などに派生し、これらの宗教は同じ登場神様、同じ世界観の上になりたっています。
具体的に言うと地獄は海の底にあって、海に浮いてる島に人間が住み、その中央には須弥山という神々の世界に通じる山があり、てっぺんに神々の王であるインドラ(帝釈天)が住む。
という世界。

古代インドでは一番偉かったインドラですが、時代が経つにつれ他の神々に地位を譲り、今現在は宗教や宗派によってインドラより良い立地に住むのがブッダだったりシヴァだったりと細かな部分は変わって来るのですが、世界の成り立ちと須弥山から神々の世界が広がる、というのは一致しています。

これはユ教・キ教・イ教で言うなれば、唯一神が世界を作り、アダムとイヴが楽園を追われ人間の世界が地上にでき、堕天使が人間に良くない影響をもたらす。という大前提が一緒なのと同じです。

このようにバラモン教、仏教、ヒンドゥー教をユ教・キ教・イ教に例えるなら先のウガリット神話にあたる位置にあるのは何なのか…ここでゾロアスター教が出て来ます。

『インドの神々と仲が悪くなるペルシア(イラン)の神達』ゾロアスター教

ゾロアスター教は古代ペルシアで起こった宗教です。ペルシアは現在のイラン。
イランにはイ教が進出して来てゾロアスター教は衰退してしまいましたが、インドに移ったペルシア人達の手によって現在も信仰が続いているとの事。

ゾロアスター教は、善神アフラ・マズダーと悪神アンラ・マンユ(アーリマン)その配下の悪魔達ダエーワが世界を巡って常に争っているという、元祖善悪二元論の神話を持ちます。
この世界観を打ち出したのはゾロアスター教の開祖ザシュトラです。

ペルシアの神々はゾロアスター教以前から崇拝されていました。
ゾロアスター教より早く崇拝されていたのはミトラになります。
(ゾロアスター教でも、善神と悪神を仲裁する立場としてミトラ神は活躍します。)

ゾロアスター教が成立する以前はここまではっきりと神々が対立していなかったと言います。
ミトラが崇拝されていた時代、ダエーワは悪魔ではなく、ミトラの配下に位置する神々でした。
そして"ダエーワ"はインドでは"デーヴァ"日本では"天部"と呼ばれます。
つまりインドの神々が、ゾロアスター教では悪神の配下の悪魔とされました。

そしてインド側からみると、神の一柱だったアスラ(阿修羅)が魔族・悪魔という位置づけになっていきます。アスラはゾロアスター教での善神アフラ・マズダーにあたります。

セム系神話ではウガリットの信仰はなくなってしまい、後世では一方的にバアルが悪魔として伝えられる事になるのですが、インド・イラン神話では両者の信仰が生き残っているため、向こうも悪魔こっちも悪魔と言う、少し面白い構図のまま現代まで神話が伝えられています。
どちらの神話にもかたやヒーロー、かたや魔王としてインドラやシヴァが登場するのです。

今回の分け方では『敵でも味方でも登場人物が被ったら同じグループ!』がルールですので、
インドの神話とゾロアスター教はインドラとアスラが居るから同じグループ。と言う事になります。



世界にはたくさんの宗教がありますが、この2つのくくりにメジャー所は分けられます。
こうしてみると、ある一定の神様を押さえておけば大体の神話が飲み込めるので理解しやすくなるのではないのでしょうか。

長くなりましたが今回はここら辺で、本当は別の話をしたかったのですが前振りが長過ぎて辿り着きませんでした。
この話をもとに、次回はアスモをメインメンバーに選んだいきさつを語りたいと思います。
悪魔アスモデウスは七つの大罪、色欲(ラスト)の悪魔です。
ソロモン72柱にも数えられ、魔導書ゴエティアの記述では
牛、人、羊の3つ頭で、ガチョウの足と毒蛇の尻尾を持ち、
竜にまたがり軍旗と槍を持っていると言う。
口から火を吹く事ができるとも。

その姿を見ても恐れる事なく、敬意を持って接すれば指輪など物をくれたり、
アスモデウスの得意な幾何学や天文学などの知識を授けてくれると言う。

ソロモン72柱の中には生け贄を要求したり、嘘をついたり、
言う事を聞いてくれなかったりする悪魔も多い中、
アスモデウスは人間にも友好的に感じます。
とはいえかのソロモン王を騙してその魔法の指輪を取り上げたり、
サラという少女に取り憑いて彼女の婚約者を7人も殺害したり
悪魔らしい一面も見せています。

(サラに取り憑いた理由は不明ですが、仮にサラが好きだったために
婚約者を殺していたのだとするとだいぶ人間らしさが出てくるのですが…。
婚約者は殺してもサラ自身に危害を加えていない事を考えると想像が膨らみます。)

また、ユダヤ教の伝承では人間と天使のハーフであるとも言われています。

そんな親しみやすさを持つアスモデウスですが、
もとはといえばゾロアスター教の悪魔「アエーシュマ」が原型であると言われています。
アエーシュマの名前は「狂暴」を意味し、暴力と酒の酔いの化身であるとされ、
毛むくじゃらの体で血塗られた武器を常に持っているとされています。
アスモデウスよりもアエーシュマの方がだいぶ凶悪なイメージです。

ゾロアスター教は元祖二言論の宗教、つまり正義と悪が2つにわかれ、
互いに戦い続けていると言う世界観を持っていました。
後に、善と悪が戦うと言う世界観はユダヤ・キリスト教に反映されて行くのですが、
まだ善と悪の概念が別れておらず、サタンも神と賭けをして神と信徒を困らせるものの
完全な悪としては描かれていなかった時代、ゾロアスター教では善神と悪神が世界をかけて
バトルを繰り広げていました。

その、ゾロアスター教の神話で、悪神の配下として生まれ、他の悪神たちを束ね、善神に戦いを挑むために立ち上がったのが悪魔アエーシュマです。

そう、神話の中で"悪魔"として生まれた初めての存在と言ってもいい!

当時からオリエント神話では後に悪魔とされるバアルやアシュタルトはおりましたが彼らは神、
サタンも"敵"として聖書に存在してはいましたが、まだ天の使いとしてのニュアンスを残している頃に、アエーシュマは『悪魔』として神話に登場しました。

ゾロアスター教ではアエーシュマの他にも悪魔が登場しますが、他の宗教にも語り継がれたのはアスモデウスだけだと思います。

『アーリマン』の主要メンバーとしてアスモデウスを選んだのは、
この"元祖悪魔"というポイントをどうしても押さえておきたかったからです。
悪魔学の歴史から見てみれば、あるいみサタンより、さらにマーラよりも先輩悪魔。
『アーリマン』作中ではサタンの部下、という位置づけですが密かにバンドをまとめているのは
悪魔の大先輩であるアスモデウスなのです。


それなのにユダヤ・キリスト教の伝承ではなんとも報われない話が多い。
そこも彼の魅力ではありますが…。

アスモデウスを主要キャラに採用したのにはもう一つ別の理由もあるのですが、
それはまた次の機会にお話しします。
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