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悪魔についてマンガを描いたり語ったり。書籍を紹介したりします。
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マンガ『アーリマン』を描くと決めてからまず始めた事は悪魔の資料購入です。

それ以前から悪魔の事は大好きであり、
リアル中二病だったころに悪魔関連の書籍には手を出していました。
しかし当時はインターネットもまともに普及していない時代。
大型書店の宗教コーナーに張り付き入荷した物を片っ端から目を通すも
いい本に出会えるかは運次第。
当時は悪魔に関する書籍自体少なかったのです。
しかし、改めて調べなおすとあれから10年のうちに悪魔本が増えてるではありませんか!!
そこから再び悪魔関連書籍を買いあさるようになりました。

そしてまず始めに手にしたのがこれ。

ファンタジー系の創作をするのに便利な事典シリーズを出している新紀元社の悪魔事典!
レビューにはちらほら「広く浅く書いてあるが浅すぎて話にならない。超初心者向き」
という意見も見られるのですがこの本のすごい所は事典部分ではない。

巻末のコラムだ。

事典の内容自体は1項目が短い。加えて悪魔以外にも古代やアステカの神々、
中国の妖怪や現代の都市伝説、マンガ『デビルマン』のキャラクターなど
「え?それも載せちゃうの?」的なものまで載っている。
逆に言えば他の事典ではお目にかかれないマイナーなレア悪魔の情報も得ることができる。

個人的には、サタンの項目が5つもあり、
「旧約聖書のサタン」「新約聖書のサタン」「失楽園のサタン」
「中世ヨーロッパの民間伝承のサタン」「シベリアの伝承のサタン」とそれぞれわけて
紹介されてたのが美味し…なかなかシベリアのサタン伝承は知り得ないですよ!
北の国の人は悪魔が恐くないのかめちゃくちゃ可愛いんですよこれが!

話がズレました。
このように、有名悪魔であればいろんな角度から見た項目が複数用意されてますし、
元が太古の神々だった悪魔であれば神々の記載もきちんとしてあるわけです。
わかりやすく噛み砕いているので「超初心者」にはもちろん、
他の書籍を一通り調べて悪魔に餓えてる「上級者」にも楽しめる内容ではあります。
ですが、最初に言ったように一項目が短いため、読んだ後物足りなさを感じてしまう。
事典部分だけだと浅くてジャンルも広々としているので雑多で物足りない。
そこでお勧めするのがコラムの部分です。

コラム「悪魔観の沿革」悪魔とは何か?

悪魔を一言で説明するのはとても難しいです。
悪魔を追い求めて行くと都市伝説や幽霊のたぐいに辿り着いたり、
有力な神によって姿を消した太古の神々に巡り会ったりします。
しかしそこに悪魔はいません。
調べれば調べる程、悪魔はスっと姿を消してしまう。
まるで霧のようです。
仕方が無いのでその霧がどんな形をし、
どんな範囲で広がってるかを遠くから見て掴もうとする。
悪魔においてはそれは悪魔という概念がいかに出来たか、
歴史をひも解くという行為になります。

この本のコラムでは原初の神々から近年のサブカルチャーまで
悪魔がいかにして扱われ人々に根付いていたかが語られています。

色々な悪魔をここに調べ多少なりとも悪魔に詳しくなっていた私は
このコラムを読んでハっとしました。
悪魔はキ教や西洋文化の遠い存在だと思っていましたが、
実はアジアの神々にも繋がりがある。
日本に住んでいると忘れがちですが世界は地続きで、
各神話・宗教の神々や悪神も互いに影響しながら今に繋がっているんだと…。
このコラムを読んでモリモリと『アーリマン』の世界観が浮かんできました。
日本もインドも世界の神様と悪魔をごちゃごちゃに描いてみよう!
こんなに影響しあってるなら一緒に登場させてもおかしくないはずだ!と。

あまり悪魔の歴史、ならびにキ教以外での悪魔の存在に触れている書籍は少ないので
ここまで読みやすくコンパクトに世界中の悪魔観について語っている本は
珍しいのではないでしょうか。
読み終わった後、視野が広がった感覚がありました。

都市伝説は悪魔か問題

これに関してはいや違う!と言いたい悪魔クラスタですが
残念ながら、現代の悪魔像を決定づけた悪魔好きのバイブル『地獄の辞典』は
19世紀にフランスで発行された都市伝説本です。
ベルゼブブの蝿姿も、ベルフェゴールのトイレ魔神も、
すべてはこの都市伝説集から始まった…。
そして現代において悪魔のイメージに一役買っているのは映画や音楽、アニメやゲーム。
よくよく調べると、悪魔らしいな〜と感じる視覚的イメージは
ここ100年にできた新たなイメージで、きっかけがヘヴィメタルや映画だったりするのです。

でも果たしてそれが原典から遠いからと取り払っていいのでしょうか、

蝿のベルゼブブも魅力的だし、トイレに座ったベルフェゴールも愛おしい。
メロイックサインや逆さ十字を掲げてサタン大好き!と叫びたい。
究極に原典に近づくと消えてしまうのが彼らです。まるで霧のように。

近年のそういった噂話やビジュアルも合わせて、
いまだ悪魔の歴史は続いているんだと思います。
眉唾も、サブカルチャーもすべて含めて本当の悪魔の歴史なのかも。
そういった事を現そうとしたのが本書なら、とても良い本だと思います。
口裂け女や切り裂きジャックを加えて紹介しているのもそういう意図なら納得がいく。

本書の巻末には参考書籍もずらりと並んでますし、
初心者が読んでもここから掘り下げる事が出来ます。
悪魔学上級者には意外な情報が手に入るかも、
悪魔一点集中ではなく、広く浅く悪魔を眺めてみたい方には読む価値のある一冊だと思います。



あ、ひとつだけ残念な事があるとすれば…サタンの挿絵がミカエルになっていた事でしょうか。
おそらく…それはサタンではなく…それ(ミカエル)に踏まれてるのがサタンです…
イラストレーターさん!!
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黒服系マンガ家
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